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『紅い眼鏡』_実写こそ押井さんに合っている

 新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 67 押井守映画祭2015 第三夜「マニアック編」
に行って参りました。
 確かに、4作品上映された筈なのですが、僕の記憶には頭2本しかありません。。。(だってオールナイトで押井守作品dすよ。寝ますよ。)
 それは、さておき、実は1~2年前にも同じく押井守映画祭で実写作品軍を見たのですが、ものの見事にその時も寝てしまい、『紅い眼鏡』を観るのは、初めてでした。 以外なことに、殆どがモノクロの映像で実に味があります。何処からが夢で何処からが現実なのか?複雑な入れ子構造によって、だんだんわからなくなっていきます。
 謎にフィーチャーされる立ち食いそば、、、全編、声優によるアフレコなど、音響も拘りが感じられ、とても前衛的な仕上がりになっています。シリアスなトーンの中に急遽、ギャグのように入ってくるギャングのダンス、、、
 どれもアニメでやってしまうと、最初からフィクションですからシリアスさのないタダのギャグになってしまうでしょう。劇中劇は、ぱにぽに や 輪るピングドラム など何作も存在しますが、作品内の夢と現実を交錯させる為の劇中劇は、やはり実写ならではの手法ではないかと思います。

 くしくも、Wikipediaによると、

宮崎はその後、本作のパンフレットに「押井さんについて」と題した文章を寄稿している。この中では、自分が脚本で押井が監督するはずだったアニメ映画(『アンカー』を指すとみられる)がつぶれてスケジュールが空いたときに二人で知床まで自動車旅行をした話のあとに、「ぼくは実写映画に関心も興味もない。時たま、ほんとに時たまの気まぐれな観客の立場から出る気はない。だから、押井さんが映画少年をいまだにひきずっているのを見ると、アニメーションの監督を実写の人がやるような違和感しか感じない」と述べた上で、本作には押井が「何を考えているか」が「いちばんはっきり表現されていると思った」、(本作を見ているうちに)「70年のバリケートの中にいる高校生の彼が、俺にとって現実と呼ぶに価するのはこの瞬間だけだといまも叫んでいる気がした」と記している

 という記載がある通り、アニメでは只管眠い押井さんの演出も、実写では生きるのでしょう。

 昨日のトークショーでは、千葉繁さんが、この作品は実写ながら絵コンテが全カットにあって、役者も、ここは広角レンズだから大げさに演技しなくはいけない、ここは望遠だから逆に大げさに演技してはいけない、などの判断をしたと言っていましたが、絵コンテ段階でしっかり練った為か、どのカットも意図と手法がマッチしているように見えました。

 SFのショートショートが好きな人には、是非見て欲しい作品です。
 仲間を信じるとは?どういうことか?




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