日本の労働者の低い生産性_再現可能なものへの転換
年末年始最初に読んだ本は、
デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論 潜在能力を活かせない「日本病」の正体と処方箋 [ デービッド・アトキンソン ]
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でした。
昨今では日本の高度経済成長の要員はモーレツ社員の頑張りだけでなく、「円の固定相場制」「人口ボーナス」などの影響が大きかった、というのは通説になりつつあるのではないかと思いますが、本書は「人口ボーナス」の要員の大きさを自覚すべきだという主張でした。
そしてこのまま生産性が低いママでは各国に置いてけぼりになります。
では、どうしたら生産性は上がるのか?
デービッド アトキンソン氏の本は、アナリストらしく、具体的な改善方法というよりも、マネジメント層が改革をせざるを得なくなるように株式市場のプレッシャーを与えるように構造を変えよう、という主張で、その先は経営者が自分で考えることになっています。
普段、日経CPの元編集長 木村さんのツイートをよく見ていますが、日本は”失われた20年”の間に随分と効率化から置いてけぼりになっているのだと毎朝思い知らされる事例をツイートしてくれます。
ITで業務改革と言うけれど、本当に必要なのはマネジメント改革。ITを活用すれば、単なるオーバーヘッドの管理職を一掃できるし、効果は抜群のはず。ただ、抵抗勢力管理職だし、その親玉は社長。だから、絶望的に難しい。唯一可能なのは、会社が潰れかけて外資に買収された時ぐらいだな。
— 木村岳史(東葛人) (@toukatsujin) 2017年1月3日
カスタマイズするのは、悪
何年か前に読んでなるほど!と思った本に
があります。
小説ですがとてもためになります。
本書では効率化を図るために、部品のカスタマイズ=「すり合わせ」を止めて、共通して売れるものを生産し、それを買ってくれる客を探すのだ、という主張をしていました。
「すり合わせ」とは逆方向に進むインダストリー4.0
中間部品の標準化の重要性は世界的に肯定されている流れです。
にも、ドイツのインダストリー4.0は工場の自動化などではなく、中小企業が納品する中間生産財の規格を標準化していることの方が重要であるという指摘がありました。
再利用可能という考え方
規格化や標準化による効率化は、再利用可能と言い換えても良いと思います。
一つ一つ、個別対応してすり合わせをした部品は他の顧客には使えませんが、標準化した部品は他の顧客にも使えます。
プログラムの世界
例えば、統計のレポーティングをExcelではなくRなどプログラムで行うのは、コードが再利用可能だからです。
お酒の世界
職人芸の世界でも獺祭のような事例がありました。職人の技を再利用可能にした取組です。
広告デザインにおける再利用可能性について
では広告の世界ではどのような分野で再利用可能なものへの変革が可能でしょうか?
例えば、デザインの世界では、一文字一文字字間を詰めるだとか、手作業で調整しているところが大変沢山あります。
一方でAdobeは最先端の技術を道入してどんどん人間の手間を省いています。
因みについ最近、人間の切抜き作業をしたのですが一昔前とは全然切抜きの精度が向上していて、小さいサイズであれば全くのおまかせでも大丈夫そうなくらいでした。
手間がかかっている方が良いという信仰
この人のツイートもよく読んでいますが、例えばこういうことなのだと思います。
一つ一つ特別仕様にすることが良いことだと思っている人は多いのではないかと思います。
「これは手間がかかっている!」ということを良しとするのをやめるべきでしょう。
手間がかかっていないことは消費者のメリットになる
生産ロットが多いということは、イニシャルコストが薄く分散されているため、同じ値段のスマートフォンでもロット数が多いものほど、良い機能が突っ込まれているわけです。
China eyes breakthroughs in SOE reform - Business - Chinadaily.com.cn
工芸品と工業製品は異なるものですので、手間がかかっていることが良い場合と悪い場合とがあるということだと思います。
参考
固定相場制の影響の重要性について
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人口ボーナスについて
デザインの職人芸について
なるほどデザイン 目で見て楽しむデザインの本。 [ 筒井美希 ]
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