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広告/統計/アニメ/映画 等に関するブログ

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最近読んで良かった本。次のホットワードは、ディープラーニングと非線形科学だろうか

 2015年に入ってから急に自分にとって刺激的なアタリの本が2冊ありました。
 教養本の世界でも色々とブームがあるもので、少し前なら行動経済学が流行ったり、去年だと統計学が流行ったり、最近は急にピケティが、数年前にはマイケル・サンデルが、、、
と一般的なブームになるものから、一部の界隈でブームになるもの多種多様です。
 そんな中で、この1〜2年で流行りそうだなぁと感じる2冊でした。

 長い駄文での紹介になってしまいましたが、忘れないうちに書き留めておこうと思いました。

◆ 生態学非線形科学/複雑系

世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方

世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方

 本書は、世界がもし100人の村だったら〜で有名な研究者の方の遺書で、書かれたのは既に何年も昔なのですが、最近邦訳されて、書店でよく平積みされています。

 食物連鎖で習うように、生物の世界では、1つ何か起きるとそれが影響して全体に循環して思わぬ影響が出ることがあります。本書の紹介では、木を守る為に害虫駆除剤を散布すると、一時的に害虫駆除はできるものの、それによって「木が守られる=害虫の餌が増える」と連載し、数年これを繰り返すことによって、何年かに一回は、大量の餌を元に害虫が大量発生してしまう、というジレンマが紹介されています。これは、手を加えなければ、毎年害虫の影響があるものの、それは予測をすることができました。しかし、害虫駆除剤を散布したことで、害虫によって発生するコストと時期の変動と分散が大きくなってしまったのです。

 更に、本書では、経済的な事象にも言及があり、「予測より商品が売れた!在庫発注を増やそう」⇒数ヶ月遅れて生産
され納品⇒「あれ?何かブーム過ぎて余っちゃった!在庫減らそう!」⇒数ヶ月遅れて店頭在庫が少なく⇒「ヤバい!また増やそう!」と、目の前の需要に対する対応と、実際の供給のタイムラグによって生産量の変動がする影響について紹介されています。

 株の投機的な購入による価格の変動など、複雑系非線形科学と呼ばれる世界では、1つ1つの小さな動きが全体で大きな影響を与えることは度々紹介されますが、まだまだ一般常識として理解はされていないのが現状だと思います。しかし、このような本が平積みされるということは、今後ブームになってもおかしくないなと思います。


◆ ディープラーニング/人工知能

 こちらは、人工知能の過去のブームと機械学習について順を追って解説し、今の”人工知能”と呼ばれているものを”人工知能”と読んでいいのか?という指摘と、ディープラーニングが過去の機械学習とどう異なり、革命的なことなのか?ということを素人が読んでもわかるように書かれたとても分かり易い本でした。

 将棋の電王戦やAppleのSiriのように、今、人工知能と呼ばれているものは、様々なパターンを人間が人力で覚えさせているのが現状です。マシーンが自ら学習しているわけではなく、研究者の職人芸です。しかし、近年開発されたディープラーニングという手法は、マシーン自らが、入力情報の主成分分析(的なこと)をして、分類を把握していきます。

 例えば、これまでは、色んなネコの画像を見せては、「これは、山猫さんだよ」「これは、トラだよ」と分類を覚えさせていましたが、ディープラーニングでは、マシーン自らが大量のネコの画像を分析して、自ら「どうやら、ネコの中にも種類があるらしい、凡そこういう情報がある奴は 茶トラ猫とでも呼ぼうか」と、概念を作っていくことができます。これまでの手法だと、全く新しい情報を与えると、その情報を分類することが難しかったのですが、ディープラーニングであれば、その全く新しい情報を見ても「こいつは俺の頭の中のネコという概念にとても似ているなぁ」と分類することができるのです。

 人間の職人芸に頼っていた所が機械に任されるようになると一気に実用化が進むものです。今は、人工知能的なものは、ロボット掃除機や自動運転の車という世界ですが、そのうちマーケティング分野でも、マーケターが職人芸的に見つけてきた「クラスター」の分類をマシーンが勝手に行い、最適な分類をして、サービスのレコメンドを行うようになるかもしれません。

 主成分分析して概念となる特徴を作れば良い、という発想自体は、当然何年も昔からありました。しかし、実際にそれを実現できたのは、ここ最近のことであると、紹介されていました。
 それは、覚えさせる情報に工夫をして、これまで1つの情報として入れていたものに加えて、少しだけ加工をして異なるデータをランダムに大量に発生させ、それらも情報として入力させたことで実現できました。完璧なネコの画像、少し情報が欠損したネコの画像、また異なる情報が欠損したネコの画像、、、これによって、ネコという概念がロバスト性を持つことにもなります。

◆ 冗長性/遊び という概念の重要性
 ちょっと違っていても対応できる、ということは、ロバスト性や先ほどの生態学でも レジリエンス という概念として登場します。他の分野では、冗長性や遊びとも言われます。ちょっとした外からの影響にも柔軟に対応する力のことですが、よく「応用が効く」と言われる力のことです。生態学やディープラーニングが今後重要になってくると予測される革命的なポイントは、その’冗長性”という特徴にあると思います。