セミプロの時代
最近ライブコマースが熱いのに知らないの? という同僚からの煽りと、 プロゲーマーは競技系だけではないぞ? という趣旨のツイートを見て、 セミプロの時代 が本格的に来たんだなと思いました。
比較的最近のセミプロ
ライブコマース
個人が通販をするようなものです。
Candeeさんは100本動画作るよ!とか起動力のある会社ですが、会長が國光さんなんですね。 元は映像制作会社のプロデューサーだったのですがアグレッシブにいつの間にか時代の寵児です。
ゲームアプリでも東大発ベンチャーで有名なところがありますが、最近の東大生は起業家精神がありますね。 jp.techcrunch.com
実況
これはワザワザ引用せずともみんなご存知でしょう
- ゲーム実況(ニコ生/Youtube)
- 商品紹介(Youtuber)
ライブ的な消費形態として紹介されることが多いですが、これも視点を変えれば「セミプロ」です。 過去はファミ通のプロのライターがゲームの評価を下していましたが、今は個人のプレイを見れば良いんです。
個人のラジオのような配信
ラジオパーソナリティのようなものもプロだけでなくセミプロが活躍しています。
- TwiCas
- MixCannel
因みに私は夜中に個人のカラオケを聴くのが趣味です。
もっと色々、セミプロが活躍するものはあります
比較的この数年の動きとしては、以下のものがセミプロが活躍している分野です。
- 先生(Schoo)
- 宿泊(AnB)
- 運転(Uber)
AnBやUberはテクノロジーやシェアリングエコノミーの文脈で語られることが多いですが、個人がプロと同じようなことをしている、という視点でも捉えることが可能でしょう。
もっと大きな流れとして捉えたい
昔から「セミプロ」は存在する
実は随分昔からセミプロはありました。
- 口コミサイト:プロの評価を集めた本や雑誌から個人のレビューサイトへ
- ブロガー:プロのライターから個人のライターへ
- 読モ:最近はもはやタレントや事務所所属してる人も多いですけど元は読者です。
特に小説・音楽の分野は進化が早い
比較的古い記事を探してみました。
電子書籍ブームというのがありましたね。
そして今では「なろう」から普通にアニメ化されていきます。ちょっとバブリーな感じもありますが。
その昔、 ケータイ小説 というのがあったのを覚えていますでしょうか?
2chのスレッドが本になり映像化され、という頃には全くその意識がありませんでしたが、 この頃からコンテンツを作るのが、プロだけでなく、アマチュアが増えました。
所謂、「P」という人達もセミプロです。本職は別にあります。音のクオリティもプロの方が高いです。 演奏してみたシリーズも未だに人気ですね。
中央集権的な信用から個人に信用がスライドしている
10年前、Wikipediaの新興に関連して当時随分と売れた本があります。
つまり これからは集合知だ という話しです。そして今は ブロックチェーンによる非中央集権的信用 へと進歩しています。
プロが介在しない個人間取引というものは危険がつきものですが、いずれ技術が解決してくれることでしょう。
ウーバーイーツもローンチ初期ほどトラブルは聞かなくなりましたね。
プロの提供するものからセミプロの提供するものへ
アニメが某映画作品によって2兆円市場になりました!とは言うものの全然プロは儲かっていません。
この番組では下請け構造に焦点を当てたようですが、実態はそういうことではなくて、そもそも制作費はたいして増えていないのです。
一方でセミプロの市場は順調です。遂にアニクラは製作者への還元を始めたようですが、こういったセミプロのアニソンDJの周りにファンがついて消費をしています。
今後のメインのモデルはアメブロ方式ではない。
ブログが流行った時にアメブロはタレントのブログを用意することでPVを稼ぎました。しかし今後はプロではなく セミプロ をどれだけ集められるか?が重要だと考えます。
ライブコマースもタレントを使うところ使わないところがあります。一部のタレントはファンがつくかもしれませんが、恐らくメインストリームはセミプロを沢山抱えるところになると思います。
セミプロとプロの距離感の違い
作家がこれから食えなくなるだろう、と電子書籍で言及されたとき、今後はファンイベントで稼ぐしかない、と指摘している人が居ました。
音楽の文脈ではモンティ・パイソンのように直でファンとコミュニケーションしてグッズを売れと指摘している人が居ました。
ライブ型消費とよく言われますが、 身近な存在であるかどうか? の方が大きいのではないか?と思います。
実況主にファンがついてイベントするような市場規模のセミプロとファンというセミプロ市場が広がっていくでしょう。
かつてAKB48が目指したこの距離の市場が色んな分野に広まって行くのだと思います。
ぶっちゃけ歌ってみたの人よりプロの歌手の方が上手いのです。それでも歌ってみたにファンがつくのです。
広告業界はどうするのか?
個人と個人の信頼関係に「ペイド」はあわない
読者モデルには商品を持たせて、タイアップ広告をしました。
ブロガーには商品を渡してレビューをして貰いました。
しかし、セミプロとファンの間の信頼関係に企業が金の力で入ってくることが今後も受け入れられるとは思えません。
みのもんたモデルはもう来ない
みのもんたが紹介したら商品が売れる、というレガシィなモデルの時代がありました。
プロ ⇔ 大衆
という関係は、テレビの一方方向なコンテンツを楽しむレガシィな世代の消費と信用関係だと思われます。
もうご存知の人は少ないと思いますが、嘗ては、「新聞の広告はテレビより信用される」と広告業界では実しやかに言われていましたが、 今は新聞やマスメディアへの信頼は当時より低下し、権威のあるメディアだから信用できる、という構造ではなくなっています。
セミプロ ⇔ ファン
こういうビオトープがあちこちにできることでしょう。
健康食品販売が寧ろ近い
健康食品が高齢者にウケるのは健康への不安もありますが、家族より親身に話し相手になってくれる販売士に会いに行っているのです。
流石に何も買わないでセミナーに毎日行くのは悪いですよね?強制されなくても買ってしまうのは仕方がないことだと思います。
セミプロが紹介したくなる商品が売れる
身も蓋もない話ですが、セミプロが紹介したくなる商品が売れるということです。
例えば、けものフレンズが売れた理由は幾つもありますが、宣伝してなかったのにみんなが存在に気がついたのは、 「すご~い」「やった~」 などの広まり易いワードが極めて重要だったと思います。
「せっかく泣ける良い映像を作ったのに売れない!」などということはザラにあります。でも セミプロが紹介したくなる 要素がないとなかなかヒットしないのです。
今後アドマンは、 セミプロが紹介したくなるストーリー を作る能力が重要になってくるでしょう。
話は変わって、宣伝です。
今日、志村貴子原画展に行ってきました。
「青い花」はほんと良い話なんでみんな是非見て下さい。
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こういう地味だけど良い作品というものが紹介されやすくなるにはどういう仕掛けがあればいいんでしょうか?
だれか教えて下さい。