※2019/10/22 記事を更新しました。Pandocから直接PowerPointが作成可能です
先般、Pandocを導入した話をしました。
その後、暫くMarkdownを練習がてら使ってみたのですが、これがなかなかに素晴らしいことがわかってきました。その中でも自分的にこれは良いと思ったところをまとめておきます。
Markdownはテキストファイルで書けるので軽い
Wordの欠点は、とても重いこと。
途中で画面が真っ白になってフリーズしてしまったり、文字の入力や変換に画面表示がついていかなかったり、オート機能をオンにしている人は、Wordが余計な補足をしてくれたり。。。
メモ帳の欠点は、装飾が出来ないこと。
動作は快適なものの、太字やら見出しやら、箇条書きやらは設定できない。
※余談ですが、メモ帳はデフォルトの表示から「書式」 > 「フォント」で、表示するフォントを変えるだけでも快適さは変わります。
Markdownはその両方を兼ね備えている
Sublime Text を使えば、Markdown記法をすぐにプレビューしてくれるし、動作もWordに比べると圧倒的に軽い。
MarkdownはWordにできる
先般の記事の通りWordにするのは簡単で、
先ず、「Windowsキー」+「R」で”ファイル名を指定して実行”を起動し、「cmd」と打てば、コマンドプロンプトが起動します。
そこでカレントディレクトリまで移動し、元のファイル名、変換するフォーマット、変換してアウトプットするファイル名を記載するだけでWordファイルの出来上がりです。
pandoc 20160708.md -t docx -o 20160708.docx
先日の記事ではスタイルを別のWordファイルで参照させましたが、どちらかというと、pandocで変換した後は、Wordの方で整形した方が早いように思います。フォントにしたって自分がよく使うフォントのスタイルを記憶させておけばそれでいいのです。。
MarkdownはPowerPointにもなる
Markdownは、LaTeXを使ってPDFにすることが出来ますが、PDFは更にPowerPointにすることが出来ます。結果的に、MarkdownはPowerPointになるということです。
MarkdownをPDFにする
pandocでbeamerに変換。XeLaTeXを使う。
Tex Live! 等でLaTeXを入れていれば、beamerが使える筈。
pandoc 20160708.md -t beamer -o 20160708.pdf --latex-engine=xelatex -H font.tex
latexのエンジンを指定する必要があります。各種サイトではLuaLaTeXが推奨されていますが、フォントの自由度でXeLaTeXが良いと思います。
日本語を表示させる時の注意
キモは、「-H font.tex」とその中身。
このサイトを参考にしました。
TeXに変換した際にヘッダーとして使うべきLaTeXの記述をTeXファイルにしておいて、それを読み込ませながらpandocは変換をしてくれます。
font.texの中身
ここで日本語フォントになるように設定します。Noto Sans CJKを使いたいのでxltxtraのパッケージを使っています。
\usepackage[size=a4,scale=3.5]{beamerposter} \usepackage{xltxtra} \setmainfont{Noto Sans CJK JP} \setsansfont{Noto Sans CJK JP} \setmonofont{Noto Sans CJK JP} \XeTeXlinebreaklocale ``ja''] \hypersetup{unicode=true}
font.texの置き場所
pandocで変換する時に同じディレクトリに置いておかないといけません。pandocを使う時の作業ディレクトリを決めておいて、そこに置いておけばよいでしょう。
ヘッダーを遊べばもっと面白いことも。
beamerは既存のギャラリーも豊富ですが、
ユーザーが独自に作っているものも美しいものがいっぱいあります。
例えば、ここのKeynote風のものからヘッダーを頂いて、
\usepackage[size=a4,scale=3.5]{beamerposter} \usepackage{xltxtra} \setmainfont{Noto Sans CJK JP} \setsansfont{Noto Sans CJK JP} \setmonofont{Noto Sans CJK JP} \XeTeXlinebreaklocale ``ja''] \hypersetup{unicode=true} \usetheme{default} \usepackage{color} \useoutertheme{default} %\usepackage{texnansi} \usepackage{marvosym} \definecolor{bottomcolour}{rgb}{0.32,0.3,0.38} \definecolor{middlecolour}{rgb}{0.08,0.08,0.16} \setbeamerfont{title}{size=\Huge} %\setbeamercolor{structure}{fg=gray} \setbeamercolor{structure}{fg=white} \setbeamertemplate{frametitle}[default]%[center] \setbeamercolor{normal text}{bg=black, fg=white} \setbeamertemplate{background canvas}[vertical shading][bottom=bottomcolour, middle=middlecolour, top=black] \setbeamertemplate{items}[circle] \setbeamerfont{frametitle}{size=\huge} \setbeamertemplate{navigation symbols}{} %no nav symbols
をfont.texとすれば、
とKeynote風になります。
改ページに注意
通常のMarkdownでは「---」が改ページですが、beamerに限っては、第2段階の見出し「##」で改ページされます。その点だけ注意が必要です。
また、第1段階の見出し「#」は、beamerのセクション扱いとなります。
デカイ文字も可能
これはLaTeXにすることが前提となりますが、LaTeXコマンドを使ってbeamerで大きい文字にすることも可能です。
例えば、
\Huge 大きい文字Huge \normalsize 普通の文字normalsize \fontsize{120pt}{0cm}\selectfont 大きい文字120pt \fontsize{80pt}{0cm}\selectfont 大きい文字90pt \fontsize{22pt}{0cm}\selectfont 普通の文字22pt
とした結果は、
となります。
PDFをPowerPointにする
Adobe CC のススメ
PDFをPowerPointにするには、大きく2つ
Google Driveを使う
がありますが、レイアウトの崩れ等を考えると、Acrobatの方が優秀です。
折角なのでこの機会にAdobe CC に登録してしまいましょう。IllustratorもPhotoshopも最新になりますし、After EffectsもPremiereもあれば、動画のファイル変換もできます。Adobeはいつからこんなに神になったのでしょうか?
AcrobatでPowerPointへ
書き出しでMicrosoft PowerPointが選べます。これで、Microsoftユーザーから「パワポで欲しい」と言われた時も対応できます。
ということで無事にPowerPointでも開けます。
結びにかえて
勿論、▷を入れるだとか、⇒を入れるだとか、PowerPointならではのことは、Markdownはできません。 しかし、企画書の箱書き段階までは、テキストエディタで書けるのは作業効率が上がりますし、元のファイルをMarkdownにしておくことで、何時でもWordにもPowerPointにも変換できる、というのは、とても便利だと思います。