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カスタマージャニー、ライフタイムバリュー、生活者インサイト

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 最近マーケティング関連の言葉でもやもやっとする言葉に、「カスタマージャニー」「ライフタイムバリュー」という言葉あります。
 自分の気持ちの整理のためにも一度、これらの言葉を振り返ってみたいと思います。
 文字ばっかりのエントリーになると思います。

■ 新しいタイプのマーケッターとその形成する世論
 最近のマーケッターと名乗る人は、大枠で 3種類居ると思っています。
1)昔からのマーケッター:企業でマーケティングをやってきた人です。僕は、ここが主流だと思っています。
2)なんちゃって系:これも昔からいます。所謂広告代理店の中で自らの提案を通すための資料を作る人で、思いつきも勢いで乗り切ります。
(*広告代理店の中にも(1)に該当するマーケッターは居ます)
3)IT系出身:ここが最近増えて来ました。元々は統計かプログラムに詳しかった人達が、コンサルタント系に転身してきたタイプです

 (1)の人は、元々、企業の中の人ですので、ノウハウを口外しません。マーケティング分野の最先端は各企業の中で起きているのですが、なかなか世の中には、出てきません。
 (2)の人は、独立する度に、或いは、広告代理店が出版元となるなど、ポジショントークが必要なタイミングで、本として出して行きます。世間で「広告」というコーナーに行けば、いっぱい最新の話として本があります。凄く行と行の間に余白が多いクリエイティブ系の本もあれば、やたら文字ばかりで堅いものまで幅広いです。
 (3)の人が、最近増えています。彼らは、2の人々が必ずしもデータや科学的アプローチを取っていないのに対して、統計学を使うため、少し説得力があります。データサイエンティストの中でも、マーケティング分野に興味のある人、特に、ソーシャルゲーム系の分析で知見を高めた人が多いようです。
 その(3)のタイプやそこに近い方々が最近広めているのが、「カスタマージャニー」や「ライフタイムバリュー」です。

■ カスタマージャニー への違和感
 カスタマージャニーとは、それまでのマーケティングが、
Attention(注意)
Interest(関心)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動)
 に代表されるように、一発で認知させて、一発で、購買意欲を高めて、購入まで至らしめる! という極めてシンプルな線形関係を想定していたのに対して、もっともっと細かく、最初に気がついた時から購入至るまでのプロセスを分解し、その一つ一つで最適なメッセージを送るべきだ!という考え方です。
 初めて商品サイトを訪れた時、1回見ただけで他のことをやって離脱した時、再訪した時、資料請求ボタンを押した時、メールマガジンまで登録した時、カートまで入れた時、購入した後、、、etc

 目指すべきところは、とてもわかりますが、1人のユーザーをとても追いかけ回しているような気がします。
 リマーケティングの広告やメールマガジンが上手く機能していることもありますが、一歩間違えるとSPAMになりそうです。

■ ライフタイムバリュー の違和感
 これは、「顧客生涯価値」の意味です。
 「顧客に対して生涯に渡って企業が提供できる価値とは何か?」という美しい話ではなく、
 「ある顧客が企業に対して、生涯に渡ってどれくらいの金額を貢いでくれるのか?」をマーケティングの指標にする、というものです。

 これも、そのロジックは、大変よくわかります。1人の顧客を獲得するのに当たってかかるマーケティングコストに対して、その顧客が提供してくれるリターンがすくなければ、そのマーケティング手法に意味がないか、その顧客はターゲットではないか、どちらかです。
 とても大切な指標ですが、余りにも顧客をカモ扱いしているように感じます。

■ その一方で企業の社会的責任は、見直されている
 一方では、
 企業の社会的なミッションを遂行するようにマーケティングは変わるべきだ、というマーケティング3.0の考え方であったり、
 カンヌ広告祭では、広告は商品を売りつけるものから、ソーシャルなアクションを起こすものに方向転換が始まったり(参考:「作品」から「仕掛け」へ進化するカンヌライオンズ
 或いは、ロングエンゲージメントやアフターアクションマーケティングといった、消費者との長い付き合いを念頭におく考え方がでてきたり、
  レイ・イナモト:「広告の未来は広告ではない」とも言われて久しくなってきました。

 (1)や(2)のマーケッターは、今や、如何に消費者を囲い込むか?という発送ではなく、もっと社会的な規模の視野でマーケティングを捉えています。

 ※余談ですが、僕は最近の広告・マーケティング事例では、ネスレのアンバサダー方式がとても好きです。ソーシャルグッドで広告賞を狙っちゃえ!みたいな成金的な軽さではなく、ちゃんと宣伝効果を考えていると思います。
(参考:ネスレが仕掛けるオフィスコーヒー客争奪戦

■ 両者の流れは、いつか一緒になる
 今は、(1)及び(2)と、(3)の勢力は、同じ方向を目指しているようには、見えません。
 リマーケティングで追いかけろ!
 リマーケタグでは、潜在層が獲得できないから、Looklikeで拡張しろ!
 バナー広告のクリック率が下がったから、ネイティブアドに切り替えろ!
 サイト訪問者を増やすために、コンテンツを増やせ!

 個別の施策は理に適っていますが、まだまだマインドが、売らんかな、から出ていません。
 しかし、広告を受け取っても嫌がらないであろう人に絞って広告を配信する、という考え方は、良い傾向だと思いますので、マインドさえ切り替えれば、生活者及び社会をよくしていく企業活動のマーケティング面でのサポートのために、ITがどう使えるか?という方向にかじを切ってイノベーションを起こす人がもっと増えるのではないかと思っています。

■ 生活者の体験をもっと掘り下げるべき
 売りつける 押し付ける ような広告は鬱陶しいものですが、商品を買うということ自体は、とてもワクワクすることです。
 最近、見た、アップル製品購入予定者のツイートのテンションの上がり用を見て下さい
(済みません。勝手に引用しました)




 この商品を買ったら、次はこんな生活になるんだ!こういう楽しみがあるんだ! という買う前の高揚感。
 80年代の広告は、「おいしい生活」に代表されるように、商品の需要欲求を広告デザインのインパクトで高めるものでした。今では、必ずしも同じ手法は通用しませんが、他所よりも1円でも安い! というチラシのような広告よりも、購入者は気持ち良いのではないでしょうか?
 ・買った後の生活の憧れ
 ・買ってよかったという満足
 ・この良さを他人に自慢したい
 ・理解出来る人と繋がりたい
 ある1つの商品に対して、生活者・消費者が、頭から最後まで、どのような体験をして、楽しむものなのか? を分析し、
 それを適切なタイミングで、適切に支援することで、ファンと口コミを増やしていく

 そういう考え方で、デザイン・テクノロジーは、進化して行くことになると思っています。