広告/統計/アニメ/映画 等に関するブログ

広告/統計/アニメ/映画 等に関するブログ

ジャンプ、マガジン、サンデーのうち少年が読んでいるのはどれか

少年漫画原作のアニメも子どもが見る時間帯だけでなく深夜に放送されるケースも増えてきました。
ところで、
ジャンプ、マガジン、サンデーという主要な少年誌のうち、実際に子どもがよく読んでいるのはどの雑誌でしょうか?

2chスレッドにいけば過去からの発行部数推移がよく話題になりますが、かたや、電車の中で大人が少年漫画誌を読んでいる...という事象もあります。
誰でもアクセスできるオープンなデータで読み取れる範囲で確認してみます。

■ 発行部数
過去1年(2012年10月〜2013年9月)の平均 印刷証明部数を比較します


部数
ジャンプ2,812,887
マガジン1,365,709
サンデー512,250
やはりジャンプは圧倒的ですね!

■ 年齢構成
各媒体資料より年齢構成の割合を確認。上記の発行部数に乗算し年代別の部数を確認します。

ジャンプ9才以下10_12才13_15才16_18才19_24才25_29才30才以上
割合2.6%12.2%21.3%16.3%23.1%11.3%13.2%
年齢別部数分布73,135343,172599,145458,500649,777317,856371,301
マガジン12_14才15_19才20_24才25_29才30_34才35才以上
割合6.0%19.0%25.1%21.1%9.2%19.6%
年齢別部数分布81,943259,485342,793288,165125,645267,679
サンデー9才以下10_12才13_15才16_18才19_22才23才以上
割合3%17%29%18%13%20%
年齢別部数分布15,36887,083148,55392,20566,593102,450
各社微妙に年齢の区切り方が違いますが、サンデーを除いて、ジャンプ、マガジンは結構高校生やそれ以上の年齢の方が多く読んでいますね。

■ 年齢確認
◆ 20才前後で区切ってみます。

ジャンプ19才未満19才以上
割合52.4%47.6%
部数1,473,9531,338,934
マガジン20才未満20才以上
割合25.0%75.0%
部数341,4271,024,282
サンデー19才未満19才以上
割合67%33%
部数343,208169,043
1才年齢がズレていますが、
未成年に関しては、マガジンとサンデーがほぼ拮抗していると考えてよいでしょう。
これはマガジンとサンデーの中心年齢層が異なるためですが、
全体の発行部数だけで比較しては、サンデーの若年層への影響力を見誤ることになります。

◆ 16才前後で区切った場合

ジャンプ16才未満16才以上
割合36.1%63.9%
部数1,015,4521,797,434
マガジン15才未満16才以上
割合6.0%94.0%
部数81,9431,283,766
サンデー16才未満16才以上
割合49%51%
部数251,003261,248
マガジンとサンデーの立場が逆転し、中学生以下ではサンデーの方がマガジンより人気があるとわかります。
一方で、ジャンプが圧倒的なことは、16未満でも変わらずです。

■ 結論めいたもの ■
発行部数全体では、
ジャンプの約半分がマガジンで、そのまた半分弱がサンデー、というイメージがありますが、
子どもに限った場合、
ジャンプの1/4がサンデーで、更に1/3がマガジンというイメージでおいた方が良いでしょう



■ 比較した週刊少年漫画誌の選定基準
今現在、主要な週刊少年誌は
週刊少年ジャンプ集英社
週刊少年マガジン講談社
週刊少年サンデー小学館
週刊少年チャンピオン秋田書店
が存在します。

今回はオープンなデータを使うため、発行部数が分かる ジャンプ、マガジン、サンデーにしぼらせて頂きました


■ 使用したデータ元
部数
発行部数については、一般社団法人日本ABC協会が出すレポートが、最も実売に近い数字となります。
しかしこちらは利用料を支払った企業しかレポートを頂けませんので、
今回は、一般社団法人日本雑誌協会の印刷証明部数を使用しました。
これは、実際に印刷した枚数の集計です。店頭で売れ残った冊数も含まれます。

年齢構成について
各社の発行する媒体資料に基づきます。
集英社小学館は、サイトをさかのぼっていけば、広告業界以外の方もある程度の範囲で情報が取得可能です
マガジンについては公式に上がっていませんが、何故か知る方法がありますので察して下さい。数字はあってました。



■ 余談
更に確認すべきことには、
ジャンプは、腐女子が無視できないくらい読者層として存在するため、男の子に限った数値を出すべきではないか?
という視点も存在します。
今回は3社が全て男女比を出していなかったことと、出していてもせいぜい全年齢での男女比のため、年齢別に区切るときに妥当性のない数字だったため、
残念ながら考察できていません。

■ もう1つの指標 「閲読率」
さて、このような曖昧なデータでは非常に判断がつきづらいと思うかたもいるでしょう。
アニメ化とは全く別の業界として、広告業界の例をあげると、
ビデオリサーチ社が年に1回調査するACR (Audience and Consumer Report)の調査から「閲読率」という指標を参考にしています。
これは、各年代別に、ある雑誌を何%の人たちが読んでいるか? を確認することができます。
発行部数側からのデータではなく、生活者をサンプル調査しています。