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製作委員会の「幹事手数料」とキャッシュフローについて

以前、こちらの記事を書いた時に省略した項目の一つに、「幹事手数料」という概念があります

yyhhyy.hatenablog.com


窓口手数料を窓口権を持った会社が差っ引いた後に、”幹事手数料”という名目で概ね10%程度が 製作委員会の幹事会社に支払われます。
※TVアニメに限らず、製作委員会方式で作られる映像作品の場合、発起人の出資者や最も出資額が多い企業が、製作委員会の幹事会社をつとめます

”え?何でそんな税金みたいな???また中抜きか?”
と思う人も居るでしょう

でもこれは、正当な配分で、寧ろ製作委員会方式では極めて一般的なシステムです

■幹事会社の役割■
そもそも製作委員会幹事会社とは、何をするのか?と言いますと、
出資者各社を集めて出資金を集めてきて、定期的に委員会を開く
商品化された賞品のパッケージのデザインを確認して、原作者がいる場合には原作者にも確認する
等々、用意にイメージできる作業部会もありますが、
財務的な業務も発生します

・出資金を一時的に入れるための口座を開設する
・制作会社に進行している分の制作費を順次支払う
・ロイヤリティ収入をまとめて定期的に(3ヶ月や半年や1年など)出資者に報告し配分する

所で、出資金というのは、
契約書のドラフトが進行して(企業によっては締結が終わってから)やっと、出資社各社が入金作業を始めます
ほぼほぼ固まってから、一ヶ月後の月末ですとか、そんなタイミングです

ところが、
制作会社には、作業を進めて貰った分を支払っていかなくてはいけません。
(*資本金の少ない企業や個人事業主には作業後速やかに支払わないと下請法違反になります)
となると、
幹事会社は一時的に資金を銀行から借り入れて現金を用意し、
各社の入金が来るまで、一方的に支払いばかり発生し、
金利の負担が発生します

その他にも、出資の配分をする際にも
振込手数料を支払わないといけません。
何社も出資者があるとそれも地味に出て行きます。

最悪の自体は、出資金を支払う予定だった会社が倒産すると取りはぐれる、など、

幹事会社は、様々な細かい作業に加えて、目に見えない負担も追っていますので、
幹事手数料として他の出資者より少し先に出資分を回収する正当な権利があると、業界内の暗黙の了解があります。