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美術館の作品は生きているのか死んでいるのか

先日 東京国立博物館140周年 特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」
平成館 特別展示室 2012年3月20日(火) 〜 2012年6月10日(日)
に行きました。

仏像や掛軸など、様々な美術品が展示されていて、大盛況でしたが、
ふと、この美術品は果たして”生きている”と言えるのか?と。

これらは、日本人がまだ芸術作品と考えていなかったような古美術を、
出稼ぎ外国人の方々が放置されていて勿体無いと収集されたものですが、

お寺の美術品というおのは、そのお寺から切り離されては、台なしではないかと思うのです。

畳に座して、下から見上げ、天井に絵がある場合は、その絵をバックに、
周囲の柱の彫刻と併せて見た時に、100%の”美”をもたらすのではないかと。

それを囲ってしまい、正面から立って覗きこむと、本来意図された確度から見ていませんし、
お寺に静かに立つ雰囲気も再現できないでしょう。

お祭りで食べる焼きそばが、ひと味ちがうのと、同じで。

掛軸などは特に、書院造りの床の間でこそ、あの縦長がバランスよく収まるのですし、
季節や気分によって取り替えるものなので、流れる時間のなかで消費されるものです。
(そういう意味で、時間軸を加えた四次元の美です。)

当時、西洋の人は、美術ギャラリーにはまっていたので、
コンテクストと融合した価値を理解できなかったとしても
今日の我々がそのことに鈍感であってはならないと思います。

展覧会でまとめて見るよりは、現地に赴いて噛みしめたいものです。


もっと言えば、仏教や神道の勉強をしないと、100%堪能できないでしょう。